少数派で偏見を受けやすい人々と,多くの人々が直接対話する機会を作ることで,対話の機会を持ったことがないときに生まれがちな,一般的なイメージから来る偏見をなくす。このことを目的としたリビングライブラリーという活動があります。
障害ある人々も,普段多くの人々にとっては触れ合う機会が少ないために,偏見を持たれやすい人々です。例えば良くある例では,アスペルガー症候群をすぐに凶悪犯罪に結びつけて考えることなどは,まさに偏見と言っていいでしょう。
昨年のATACカンファレンス京都で,日本での第一回のLiving Libraryを行い,各所から様々な反響がありました。
様々なマイノリティである協力者が「Living Books(生きた本)」となり,主催者の依頼に応じて一カ所(仮想の図書館)に集まってもらう。そして生きた本を借りに来た人と直接対話する機会を作る,というスタイルが,ごくおおざっぱに言えばリビングライブラリーの基本的なスタイルです。このやり方は,うがった見方をしたとき,「見せ物小屋」と揶揄されることがあります。そしてそのような批判は,主催者側は真摯に受け止め,常に意識しておく必要のある性質のイベントだと思います。
しかし,実際には,昨年参加してくれた協力者の方々の満足度がとても高かったという経緯があります。「こんな形で多くの人々に直接メッセージを伝えられる場所が欲しかった」「他の本,自分とは違うマイノリティの人たちと語り合うことで,自分たちばかりでなく,よく似た困難を持っている人たちがいるのだと言うことを実感した」「ライフワークにしたい」といった意見があったそうです。そしてリビングライブラリーでは,こうしたマイノリティ同士の対話も,重要なことのひとつとして強調されています。出会いを通じて気づきを生む場所,それがリビングライブラリーなのだと思います。
マイノリティへの偏見をなくしたい,直接マイノリティと語ってみたい,という人は,ぜひ今月末の東大先端研オープンキャンパスへお越しください。私も京都のときと同じく,辞書役として参加します(本当は私も本を借りに行きたいのですが)。
Living Library Japan(日本サイト)
http://living-library.jp/
※日時,プログラムの告知があります。
Official Living Library Website(本国サイト)
http://living-library.org/
※本国サイトでも東大先端研Living Libraryの告知がありました。昨年の京都のビデオもアップされているようです。
Books タイトル
『微生物が教えてくれた人間の生き方 』
(酒造会社社長)
『農(no)から見る社会』
(有機農民)
『境界に生き、歌う』
(鶴橋の歌うたい)
『ホラーと明るい社会 −科学研究が排除するモノ・ヒト−』
(オカルト漫画家)
『空想社会を設計する』
(女流官能小説家)
『生きるために薬物が必要だった』
(元薬物依存者)
『レズビアンは男嫌い!?』
(同性愛者)
『自分の中のもう一人の自分 ー高次脳機能障害者の摩訶不思議な日々−』
(高次脳機能障害当事者)
『テクノ武装で社会を生き抜く』
(車いすユーザ)
『テクノロジーが見捨てた自分、テクノロジーが救った自分』
(アスペルガー症候群当事者)
『気になりだしたら止まらない』
(発達障害当事者)
『プライバシーをゼロにすると・・・ ープライバシーゼロプロジェクトからー』
(先端研研究者)
『宇宙から見た自分』
(先端研研究者)
『宇宙人とのコミュニケーション』
(先端研研究者)
『時間を止める』
(先端研研究者)