ATACカンファレンス京都2008お疲れ様でした

2008年 12月 8日

今年も12月5〜7日とATACカンファレンスで講師を務めさせていただきました。ご参加いただいた皆さん,ありがとうございました。

ATACカンファレンス京都2008

ATACは講師と参加者の方々の距離が近いので,終わった後にいろいろなご意見いただけたりと講師にとってもとても楽しいイベントです。たくさんのアイデアと元気をいただきました。また来年,京都でお会いできればうれしいです。

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どこかで紛失した持ち物を戻って来やすくする方法

2008年 11月 10日

過去にこのブログで,持ち物をなくしてしまうことを防ぐ「道具」について紹介しました。身につけていた物が一定の距離以上遠くへ離れると,音を鳴らして知らせてくれるセンサーや,持ち物を置いておく場所のルールを決めて忘れ物を少なくするためのちょっとしたトレーなどを紹介しました。

落とし物や忘れ物を避けるためのツールと工夫
http://fagoa.blogspot.com/2008/03/blog-post_23.html

落とし物を発見するキーホルダー
http://fagoa.blogspot.com/2007/10/blog-post_5265.html

今日ご紹介するのは,持ち物を失くしてしまっても,できるだけ戻ってくるようにする,という面白いサービスです。失くさないように・・・と気にするのではなく,紛失してしまうことを前提にしているところが面白いですね。

紛失物回収サービス「マイブーメラン」
http://www.bij.jp/

・年会費1,260円を払う
・専用のタグを物品に付けておく
(最初はタグが3つしかないので追加で欲しければサイトで購入する)
・その物品をなくしてしまったとき,拾った人がマイブーメランの会社窓口に連絡する
・マイブーメランが回収して拾い主に謝礼を渡す
・マイブーメランが持ち主に届けてくれる

・・・というサービスです。会費制なので,年会費を払っている期間は,何回紛失して回収しても追加料金は発生しないそうです。いいですねこれ。

しかも,米国ブーメランイット社と提携していて,海外で失くしたものも届けてくれるそうです。そういえば私も以前,アメリカで携帯電話をなくして,とても面倒な思いをしたことがあります。いろいろと手続きがあるのは仕方ないですが,結果として見つからなかったのが残念でした。

海外だけに限らず,慣れない土地に行ったときは,不慣れから焦って不注意が起こりやすくなり,失くし物が増えますよね。それだけでなく,慣れない場所ではなくしものを満足に探すこともできない場合が多いです。そういう時にも便利なのでは,と思います。

とはいえ,注意に困難のある人の場合,良く慣れているところでも,自分でもびっくりするくらい失くし物をする,とよく伺います。なくしものって,自尊心がとても傷つきますよね。「どうして自分はこんなにダメなんだ」と落ち込んでしまいます(失くしたことがわかるのは本人だけなので,周囲からはどうしてそんなに落ち込んでいるのか不思議がられることになります)。物を紛失したことをきっかけに,大きなパニックを起こしてしまい,より大変なことになる場合もあります。

また,仮に誰かが拾ってくれたとしても,直接連絡を取り合って渡す,というのも物騒な現代では難しいですから,隙間を突いた良いサービスなのではないかと思います。

紛失することが日常茶飯事になっているので全く動じずに諦めてしまえるというADDの達人もいますが,それでも失せ物が出てくることほど嬉しいことはないですから,気になる人は試してみてください。私もやってみようと思います(実は私も達人の域に達しています)。

>T内さん,
面白いサービスを教えてくださってありがとうございました。


過集中からくる疲れを防止する方法

2008年 10月 15日

タイマーの活用などで過集中(長時間集中しすぎてしまうこと)からぐったり疲れ切るのを防止する、という事例はいくつか紹介していますが、さらに追加です。

一定時間ごとに目を休めるように警告してくれる『EyeDefender』
http://www.ideaxidea.com/archives/2008/09/eyedefender.html

あらかじめ設定しておいた時間が経過すると、画面に画像を表示したり、目のトレーニングが始まったり、スクリーンセーバーが起動したり、メッセージを表示して休憩をうながしたりと、いろんな方法で休憩をとらせてくれます。

海外のソフトなので、使用方法を少し解説しておきますね。

このソフトをインストールして起動すると、画面の一番下にあるタスクバーに「目のアイコン」が表示されます(上記画像の一番左のアイコン)。このアイコンを右クリックすると、設定メニューが現れます。

「Interval between breaks」で、何分たったら休憩するかの間隔を設定することができます。あらかじめ設定されているのは15〜90分までの5種類ですが、「Custom…」で好みの時間間隔を設定することもできます。

「Break duration」では、何分間休憩するか、休憩時間の長さを設定できます。こちらも1〜10分であらかじめ設定されていますが、「Custom…」で好みの時間間隔を設定することもできます。

また、標準の状態では「Enabled」にチェックが付いていますが、チェックを外すと、このソフトの機能をオフにすることができます。

先ほどのメニューの「Settings」をクリックすると現れるのがこの画面。「Notification」のところで、「休憩時間にどんな画面を表示するか」を選ぶことができます。

「Show pictures in a folder:」を選択しておくと、右のボックスで指定したフォルダの中にある画像を表示してくれます。

「Start the visual training」では、目のトレーニング画面が表示されます。

まず画面全体が真っ暗になり、「Sit comfortably. Relax your eyes. Blink several times during the break period. Use the [SPACE] key to switch the next exercize.(無理なく腰掛けて、目をリラックスさせてください。休憩時間には何度も瞬きをすることを心がけてくださいね。スペースキーを押すと、次のエクササイズに進みます。)」と表示されます。

しばらく待つか、スペースキーを押して先へ進むと、上記のような画面が目の運動として表示されます。最初の格子模様はヘルマン格子と呼ばれる図形(周辺視野にある交点にあるはずのない白い点が見える)ですね。次の画像は静止画なので伝えにくいのですが、画面の端からは時まで白色の視覚が動き回り、それを目で追う、という訓練のようです。他にも回転運動する白い点を目で追いかける課題など、いくつかあります。訓練の種類は、スペースキーを押すことで切り替えられます。

「Activate a default screen saver」を選択すると、スクリーンセーバーが起動します。

「Show a popup balloon in system tray」を選択すると、指定の時間が経過したときに、休憩をうながす以下のようなバルーン・メッセージを表示してくれます。

かなり機能の充実したフリーソフトで、個人的にとても気に入りました。パソコン作業で過集中が起こりやすく、疲労を感じている人は、試してみてください。

もちろん、以前紹介したタイマーの活用のように、「次の休憩画面が表示されるまでは今の作業だけに集中しよう」というように、やる気と集中の持続を助けるツールとして使っても良いですね。


やる気が続かない/集中しすぎて疲れてしまうときには?(「タイマーの活用」編)

2008年 9月 5日

長時間の作業を続けていると,途中でつい,やる気がなくなって他のことが気になり,そちらを始めてしまうことがありませんか?ちょっとした気分転換で他の作業をするのはとても良いことです。しかし,気がつくと気分転換のために始めたはずの作業に時間を取られすぎてしまい,一日が終わってみると,本来やろうと思っていた作業が全然進んでいなくてガックリ,という結果になることもあるのではないでしょうか。

または,「少しだけこの作業をしようかな」と思って始めた作業を,つい何時間もぶっ続けでやり続けてしまい,ぐったり疲れ切って,次の日,他の作業ができなくなってしまった,という経験はありませんか?この「疲れ」というのは困難のない人にはなかなか理解してもらえないので、少しでもそれを楽にする方法を試してみるのはおすすめです。

注意に困難さのある人の場合,過剰に気が散ったり,集中しすぎてしまったりと,「自分が現在行っていることについての気づき」がうまくいかないことがあります。この気づきが得意な人は,作業の合間に時々,自分自身を別の視点から眺める「振り返りチェック」を無意識のうちに行っているようです。「今やっていることは当初やろうと思っていたことか?」「今,自分はどれくらい作業を続けているか?」「今,最初に決めた目的にどれくらい近づいているか?」などです。いわばこれが作業がずらさずやり遂げるためのコツのひとつなのですが,注意に困難があると,どうしてもそのチェックをするタイミングを逃してしまいがちです。

そんなときには,タイマーを上手に使ってみると、チェックのタイミングに気づきやすくなります。

用意するもの

用意するものは,「あと○分」のようにカウントダウンができるタイマーです。
・携帯電話のタイマー機能
・100円ショップで売られているキッチンタイマー
・カード型タイマー(バイブレーション機能付き)→例えばこれとか

手軽に手に入るものには,上記のようなものがあります。携帯電話には,カウントダウンのできるタイマー機能が付いている場合があるので,それを活用してみるのもよいと思います。個人的にポイントだなと思うのは,「バイブレーション機能があること」ですね。上記で紹介しているバイブレーション機能付きのカード型タイマーは,タイマーをセットしてシャツの胸ポケットなどに入れておけますし,操作も単純なので便利そうです。パソコン作業に限定するなら、以前紹介したそろそろ君を使うのも良いと思います。

手順

(1) 今からやろうとする作業の内容を決める。「机の上にある書類を分類して机のひきだしに納める」「○○さん宛のメールを書く」など,できるだけ具体的で,1種類の作業に限定します。「部屋を片づける」など,たくさんの作業からなる,おおざっぱな内容にしてしまうと,後で行う作業の振り返りがうまくできないので,それは避けましょう。

(2) 作業を続ける時間を決める。気が散りやすい人は10分程度の短めの時間にします。集中して長時間やりすぎてしまう人は,45分など,続けて作業したときに,自分にとって疲れにくい程度の時間にします。

(3) タイマーをセットする。(2)で決めた時間にセットします。

(4) 作業に取りかかる。

(5) タイマーが鳴ったら,必ず「振り返りチェック」をします。面倒でも,必ず以下のポイントを振り返って見直してみてください。この振り返りを入れない場合,自分でタイマーを止めたことを忘れて作業を続けてしまったり,ついつい関係のないことを始めてしまったりと、せっかくの気づきをスルーしてしまうこともあるので、「鳴ったら振り返る」はお題目ににして心に留めてみてください。

チェック項目
□ (1)で決めた作業を続けているか?
□ 無事終了したか?
□ どの程度終わったか?
□ 疲れすぎていないか?
□ 長時間(1時間以上)休みなく作業を続けていないか?

(6) 振り返りの結果を受けて,さらに作業を続けるか,やめるか,休憩を入れるかを判断します。続ける場合は(2)から(5)を再び繰り返します。

以上です。

以前紹介した「今やっていることを表示するポストイット」のテクニックと組み合わせて,自分がやっている作業を見失わないようにするのもおすすめです。

上記の(1)で行ったように,作業を具体的な細かいステップに分けて,その進み具合を振り返りながら作業をすすめると,小さいながらも自分がやり遂げた作業が目に見えるので,なんだか一日が終わったときの満足感に違いが出てきます。

あとは、「部屋を片づける」といったおおざっぱな内容を,どうやったらうまく具体的な,1種類の作業に分解していけるのかについては,また次回。


注意の障害のある子どもを支援する

2008年 6月 2日

こちらもすでに既刊となっていますが,月刊実践障害児教育の6月号では,「注意の障害」に焦点を当てて,テクノロジーによる支援の方法をいくつか紹介しています.

基本的には,「プレゼンテーションツールの活用で注目をうながす方法」と「過剰な刺激を制限するグッズで落ち着きを助ける方法」を中心に紹介しています.

ADHDの障害特性はこうだから,とか,発達障害の障害種別にはこだわらずに,授業場面で注意に困難を抱える子どもたちがどんなことで困っているか,またそれをサポートするためにはどうする?という視点でまとめています.

実践コーナーでは,マイクロソフト社のパワーポイントを使って,実際に注目を促す教材を作る方法を紹介しています(サンプルデータも配布しています).

良かったら手に取ってみてください.


落とし物や忘れ物を避けるためのツールと工夫

2008年 3月 23日

発達障害の人の中には、 落とし物や忘れ物がとにかく多くて、日常生活で本当に困っている人は多いと思います。ケータイ、お財布、メモ帳、ペン、傘のような小物類や、ときには外出先へ持って行っていたはずのバッグをどこかに置き忘れてしまった、またはどこに置いたかわからなくなってしまったという経験に悩まされている人は多いのではないでしょうか。

私もあるADHDの知り合いから、「探していた食器(グラス)がなくなってしまい、ある日、それがなぜか靴箱から出てきて大変驚いた」という話を聞いたことがあります。周囲からしてみれば笑い話にされることが多いのですが、本人にとっては毎日のことであり、本当に大きな困りごととなっています。日々、ちょっとしたことに注意を奪われたり、パニックを起こしてしまうことが日常になっている人では、周囲からの「いつも気をつけておかないからだよ」といわれても、逆に単なるストレスや自己嫌悪の元にしかなりません。

以前、忘れ物を見つけるためのキーホルダーをご紹介しました。こうしたツールは、視覚に障害のある人のように、探している物がどの位置にあるのかを見つけることが難しい人のために使われてきた経緯のあるツールですが、発達障害のある人にも役立ちます。

うっかりセンサー「SH-056PML」

http://www.jpcosmo.com/wasuremonoboushiki.htm

上記も同じようなコンセプトの製品で、子機をバッグなどなくしたくない物につけておき、親機を自分の手元に持っておきます。設定した距離以上に両者が離れると、音で知らせてくれる、というツールです。親機をなくしてしまったら元も子もないですが、親機はズボンなどにくくりつけておくなどなくさないような工夫を十分にして、すぐに手元から離れてしまいがちなもの(財布や携帯など)に子機をつければ、役に立つ場面があるのではないでしょうか。また逆に、近づくと音を鳴らす機能があるので、子機を付けた物をなくしてしまったときに、音を手がかりにそれを探す、ということもできます。

小物を良くなくしてしまう人に効果的なのは、「置き場所のルールを決めておく」ことですが、置き場所が自宅や出先でそれぞれ異なっていると、どこを場所に決めたかの混乱に津なることがあります。また、旅行先のホテルなど、いつもと違う場所へ出かけたときなどには場所を決めることが難しいくなります(ホテルに泊まると必ず忘れ物をしてしまう人、いませんか?)。そこで置き場所を決めるときには、どこであってもいい目印になるようなツールがあると便利です。

【アクセサリートレー】ボタントレー・ブラウン(生活セレクトショップ・トレフール)


http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/trefle.co.jp/g/404026/index.shtml

上記のトレイ、普段は平面の一枚パネルなので、持ち運びも場所を取りません。そして使うときには四隅のボタンを留めてトレーにする、という製品です。上記のサイト以外でも、類似のものはいろんなところで販売されています(「ボタントレー」で検索してみてください)。布と厚紙、ボタンで自作しても良いかもしれませんね。このトレーを目印にして、いつもここに携帯電話や財布、時計や眼鏡などを置くようにすると、自宅でも出先でも「置き場所のルールを1つだけにする」ことができます。忘れ物に困っている人は試してみてください。


音や騒がしさに対して敏感過ぎて辛いときには?

2008年 1月 19日

聴覚性の感覚過敏,作業への集中困難を感じたことがありませんか?

発達障害,特に自閉症スペクトラム障害には,聴覚や視覚,触覚など,感覚に過敏症がある人がいます。聴覚過敏はよく知られている困難さで,騒がしい場所や突発的な音,または特定の音の種類(赤ちゃんの泣き声,金属音など人によって様々)などに対して強い不快・ストレスを感じることがあります。強い過敏性のある人では,作業への集中が難しくなったり,重い場合は騒音のある場所への外出が困難になる場合もあります。そうした聴覚の過敏性のある人には,いくつか便利なツールがあります。

(1)ノイズキャンセリングヘッドフォン
(2)特殊耳栓,イヤーマフ各種
(参考:安全モール http://www.anzen.ne.jp/soundproof/category_soundproof.html


図1. BOSE社製 クワイアット・コンフォート2


図2. 各種耳栓

ノイズキャンセリングヘッドフォンは,周囲の音のうち,エアコンやパソコンのファンの音,電車や飛行機で移動しているときの騒音などなど,持続的な騒音を選択的に低減してくれる機器です。人の話し声や,突発的な音などはそれほど低減しません。個人的な感想ですが,各社から発売されている製品のうち,BOSEのクワイアットコンフォート・シリーズのノイズ低減機能は出色の出来だと思います。ただし,価格も最も高価ですが・・・。

ただ,このヘッドフォンの良いところは,自閉症児などにも使われることの多い遮音性の高いイヤーマフと違って,ヘッドフォンのサイズがとても小さく,一般的なヘッドフォンと違いのないところです。ヘッドフォンの耳を覆う部分自体が遮音性を持つ素材できているタイプの製品は,私も持っていますが非常に大きくて目立つなあと思うことがあります(刑事ドラマなんかで,射撃場で銃声の爆音から耳を守るためにつけるイヤーマフと同じようなものですし)。

ポリウレタンなど特殊な樹脂で出来た柔らかい耳栓は,指でつぶして細くした後に,耳穴に差し込むと,段々と元の大きさに戻るので,耳穴全体をきれいにふさいでくれます。そのため遮音性能がとても素晴らしいです。値段も一個百円以下のものもあり,とても手頃です。

一度テストのためにと,耳栓をつけたままで街を歩き,電車に乗ったのですが,私自身,日頃いかにちょっとした物音に注意を奪われているかがよくわかり,とても驚きました。やってみて初めてわかることはやはりあるのだなと思いました。周囲の音に無駄に注意を引きつけられることがなくなると,私の場合はいつもより落ち着いて移動することができました。電車での移動の時にも周囲のざわざわした音や電車のガタンゴトンという音が気にならなくなり,随分ストレスが少なくなったように感じました。

※要注意点!ただし,耳栓は危険回避のために必要な音まで遮断してしまうのが玉にキズ。外で移動するときには,近づいてくる車などを見落としてしまうことがあるかもしれませんので,屋外での使用は要注意です。耳栓を屋外で使用することは私は推奨しません。諸刃の刃ですね。この辺りの安全性と遮音性のトレードオフについては,最適な基準に関わる見解について研究をせねばと思っています。

発達障害への適用ポイント

・移動中など,音が聞こえないこととが問題になるような場面で,遮音性の高すぎる樹脂製の耳栓等の着用は注意を要しましょう。ノイズキャンセリングヘッドフォンや耳栓の影響かどうかはわかりませんが,最近はiPodなど携帯用の音楽プレーヤーとヘッドフォンを身につけて,音楽を聞きながら移動することがごく一般的になっているので,そうした人が電車に轢かれるなど,人身事故につながった例がニュースで話題になることもあります。

・耳栓など音を制限するツールで日常のストレスが低下することは,実際に着用して過ごしてみないと直感的にわかりにくいところがあります。耳栓をつけると,日常生活では,普段私たちは意識せず,不要な音を効率よく「無視する」ために無意識のうちにエネルギーを使っていることがわかります。不要な音がそもそも存在しないと,無視する努力が不要となり,注意を逸らされることも少なくなるので,主観的に非常に楽になります。

<1月30日追記>
クワイアット・コンフォートは「2」の画像なのに「3」と書いていましたので修正しました.ちなみに現在,私は「3」を使っています.耳を覆ってしまわないオープンタイプなので,蒸れたりすることもなく,長時間着用する分には楽に感じています.


今やろうと思った作業を忘れて、つい無関係なことをしてしまうときには?

2007年 11月 22日

ADHDなど注意に障害のある人では、何か作業をしていても、容易に他のことに気を取られ、気が付くと、全く関係のないことをやっていることがあります。例えば、検索サイトで「著作権法37条について調べよう!」と思ったとします。表示された検索結果の中にニュースサイトへのリンクがあり、そのサイトを覗くと、今朝のニュースで話題になっていた事件の記事が気になり、ついそちらをクリック。記事を読みふけっていると、その事件に関するリンクがたくさん張ってあることに気づきました。そちらも次々にクリックしていると、あっという間に時間が経過。ふと気が付くと、自分がそもそも何をしようとしていたのかすっかり忘れてしまっていて・・・、などということも珍しくありません。どうすれば自分がやろうと思ったことをやり遂げられるのでしょうか?そんなときに効果的なのは、付箋紙のちょっとした活用です。

作業に取りかかるときに、今やろうと思っていることを1枚の付箋(ふせん)に大きく書いて、作業中、よく目立つ場所に張っておきます。例えば検索サイトなどで情報を探しているときなど、気が散りやすい、作業が脇道にそれやすいときには特に有効です。

「○○時までは○○をする」というように、区切り時間まで含めて、作業内容を書いて貼っておくと、他の作業に気が散りにくくなります。図の画像はパソコンの作業ばかりを書いていますが、パソコンを使った作業ではなくてももちろん使えます。目に付く場所に付箋を貼ればOKです。

注意に障害のある向けの工夫として、複数枚張ると、どれが重要がわかりにくくなったり、見落としたりすることがあるので、付箋は「1枚」にします。

また使用する付箋は、はがれ落ちにくいタイプのものが適しています。「フィルムふせん」は、はがれ落ちにくく、厚さが薄くて色もサイズも豊富なのでおすすめの製品です。半透明であるところもいいですね。以下のサイトで購入できます。

「フィルムふせん」
http://nkc.ne.jp/web301.html

付箋には、抽象的な目的は書かないようにします。具体的なタスクを書かないと、作業内容に幅が出てしまい、結局別の作業に気を取られることがあります。例えば「検索作業をする」では幅広すぎるので、何を調べるか具体的に書いておく、など工夫しましょう。

発達障害のある人では「時間感覚の把握」に困難のある人がいます。時間目標を定めた場合は、残り時間を視覚的に提示して、直感的にわかりやすくするためのツールと組み合わせると良いでしょう。タイムエイドについて書いている11月11日の記事も参考にしてみてください。

パソコン上で使用可能な「付箋ソフト」はたくさんあるのですが、こうした用途にはあまり向いていません。なぜなら、簡単に他のソフトによって覆い隠されてしまいますし、そもそもその他大勢のパソコンのソフトに埋没して付箋が目立たないという欠点があります。あえて実物の付箋を利用するこの方法は本当におすすめです。


やるべきことをいつも忘れてしまう!を解決する

2007年 11月 20日

発達障害のある人では、約束など、先々にやるべきことを忘れてしまったり、思い出せなかったりするために、忘れないようメモを活用したいと努力している人は多くいます。しかしながら、「メモ自体をよくなくしたり、持っていくのを忘れてしまう」「『メモした』という事実そのものを忘れてしまうためにメモの意味がない」と訴える人もまた多くいます。どうすればこの極端な物忘れを改善できるでしょうか?

目標管理ツール check*pad.jp
http://www.checkpad.jp/

そんなときに便利なのは、上記のようなウェブ上のTODOリスト管理サービスです。こうしたサービスでは、ウェブサイト上にシンプルなTODOリストを作ってくれる無料のサービスです。終わった項目にはチェックを付けて、やり遂げたこととやるべき事を管理することができます。

とはいえリストに載せておくことは、特に「やるべき事」にこだわる必要もありません。携帯電話での操作にも対応しているので、「これはおぼえておかねば」と思いついたことは何でも、メモ代わりに携帯メール本文に書いて特定のメールアドレスへ送ると、自動的にサイト上の自分専用のTODOリストに登録してくれます。もちろんメールだけでなく、パソコンや携帯のブラウザからも項目追加することができます。

メモ帳を取り出してメモを書くことよりも、携帯を取り出してメールを送る方が慣れている人は近年多くなりつつあり、使い始めのハードルが低いといえます。

また、設定により、毎日希望の時間に、携帯など希望のメールアドレスに、まだ終わっていないTODOを送信してくれます。

注意点として、初回登録時にパソコンが必要ですが、その際に自分の携帯電話を登録しておけば、以降は携帯のみで使用可能です。

たくさん類似のサービスがありますが、個人的にはこの「checkpad.jp」がいちばんシンプルかつかゆいところに手の届くサービスで気に入っています。「携帯電話で使える」「機能と操作がシンプル」という点が優れています。発達障害のある人では、メモしたくても、メモ自体を持ち運ぶことを忘れてしまうと訴える人がいますが、「携帯電話だけはいつも持っている」という人は多くいます。携帯電話の携行が現代人では強力に習慣化していることを上手に利用できます。そのため携帯電話だけでリストの登録・確認ができることは大きなメリットです。

さらに、設定により毎日リマインド(注意喚起)のメールを送ってくれるので、「メモしたことを忘れる」という失敗の回避にもつながります。

「すぐやること」「そのうちやること」「やれたらいいなと思うこと」と複数のリストを作成して、「すぐやること」だけをリマインドする、という使い方も可能です。または、「職場の机でやること」「買い物に出たらやること」「自宅に帰ったらやること」など、場面ごとにやることリストをまとめておくと、TODO項目が増えたときにも混乱せずに対応できます。

↑参考:GTD(Getting Things Done)のテクニック・・・GTDの解説については、Itmedia Biz.ID掲載記事 「はじめてのGTD」を参照してください。
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0606/27/news003.html


一度行った場所をどうしても覚えられないときには?

2007年 11月 11日

一度行った場所を覚えておきたくても、極度の方向音痴でどうしても上手く場所を把握できず、もう一回行きたくてもそれができない、という話をよく聞きます。発達障害のある人でなくても、土地勘のない場所に行ったときや、地図を読み慣れていない人にもいえることかもしれません。

そんなときは、GPS機能付きの携帯電話の活用がオススメです。

最近の携帯電話には、GPS機能が標準で付いているものが増えてきました。auの携帯にはすべてGPSが付いているはずですし、ドコモやSoftbankでも、GPSで位置情報を見ることができるものが多くなってきているようです。

主に携帯電話に備え付けのナビゲーションソフトからGPS機能を使うことがほとんどだと思いますが、実はそれに限らず、携帯電話のカメラ機能と組み合わせる便利な使い方があります。

  1. ここにもう一度来たい!と思ったら、その場所で、携帯電話のカメラ機能で写真を撮ります。
  2. 次にその写真に、現在位置を示すGPS情報を埋め込みます:例えばauの携帯電話であれば、カメラのメニューに「GPS情報付加」という項目があります。これを選択すると、現在いる場所のGPS情報を付加することができます。
  3. あとはパソコンのメールアドレス宛にその写真を転送してしまいます。

パソコンでその写真を見ても、一見するとごく普通の写真と変わらないように見えます。しかしそのファイルの「Exif情報」というところには、GPSの位置情報が書き込まれています。この位置情報を使って、その写真が撮影された場所を調べることができます。

埋め込まれた位置情報を手軽に調べるために、以下のページを紹介します。

PHPへの扉
http://etoh.minidns.net/php/

上記のページにある、下記のスクリプトはシンプルで極めて秀逸です。

et’s Exif Viewer 2
http://etoh.minidns.net/php/sample/showexif2.php

このページで、パソコンのブラウザからGPS情報の埋め込まれた写真をアップロードすると、GoogleマップやMapionなど、ネット情報地図サービスを使って、その写真に埋め込まれた位置情報にあたる場所を地図上に表示してくれます。このサイトを使えば、GPS情報やExif情報の扱いなど、面倒なことを考えなくてもすぐに地図にアクセスできるので大変便利です。

カメラ機能とGPS機能の組み合わせは、一般的にあまり使われていないようなのですが、このようにとても便利な機能です。発達障害はもちろん、それ以外にも高次脳機能障害等による記憶障害のある人など、いつ(撮影時間情報)、どこで(GPS情報)、なにを(写真の映像)、を記憶する補助をしてくれるツールとして活用できます。