「特別支援教育でのPowerPoint活用」というWebサイトを公開しました。このサイトでは,マイクロソフト社のプレゼンテーションソフトPowerPoint(パワーポイント)で作成した,授業などで使えるスライドの例を,その作成方法とともに紹介しています。

特別支援教育でのPowerPoint活用
http://www.microsoft.com/japan/enable/ppt/

また,(これが個人的には目玉だと思っているのですが)小学校で学習するひらがな,カタカナ,数字,漢字のすべての文字を一画ごとに独立したパーツの組み合わせで構成したスライドを無償でダウンロードできます。長音符や小文字も含めて,1,182文字すべてをスライドとして用意しました。加工も自由にしていただけます。活用法方法も紹介しています。

この文字教材は口頭で説明するのが難しいので,上記のようなビデオを作ってみました。このビデオはパワーポイントのプレゼンテーションを録画したもので,この教材を私が組み合わせて作成したものです。なので,この教材を使えば,このビデオと同じようなものは誰でも作ることができます。

1年半くらい前に思いついて,公開までマイクロソフトさんを始め,いろいろな方々のご協力をいただいて,ずいぶんと時間がかかってしまいましたが,無事公開の運びとなりました。ご協力いただいた方々には,本当に感謝です。ありがとうございます。

障害のある子どもたちの学習場面ではもちろん,文字に関わる活動のいろいろなシーンで活用できると思います。すでにディスレクシアなどの困難のある子どもたちの学習場面で使ってみていただいた先生方から,子どもたちの嬉しいコメントをいただいています。

あっと驚く活用アイデアを思いつかれた方,ぜひ,教えてください。今後も,ウェブサイトや勉強会などでパワーポイントを活用したアイデアを共有していきたいと思います。

Microsft PowerPoint® 向けの文字教材サイトをオープンしました” への7件のフィードバック

  1. こんにちは、イスラエルで日本語を教えている佐野信子と申します。
    外国人日本語学習者および継承語として日本語を学ぶ子どもたちに、このアニメーションを活用して、書き順と漢字のパーツごとの意味や音・訓読み、意味などを視覚的に理解できる資料を作りたいと思っています。
    (サンプルのリンクを下記添付しました。)

    Microsoftからダウンロードしたスライド内のアニメーション付き画像をコピーして、他のスライドに貼り付けてから縮小すると文字の形が崩れてしまうのですが、これはグループ化して縮小、グループを解除してから一筆ずつアニメを貼り付けていく以外に方法はないでしょうか?

    ホワイトボードに手書きしなくてもオンライン授業で漢字の書き順が示せるのは素晴らしいので、ぜひ活用していきたいと思います。
    活用のための技術的なアドバイスがいただければ大変助かります。

    1. そうなんですよね、「グループ化するとアニメーション設定が消えてしまう」というPowerPointの仕様によって、アニメーションは消えてしまいます。グループ化したら、後から手作業でアニメーション設定を復元する必要があります。

      以下、あまり本質的な解決ではないのですが、かなり複雑な文字については、こんな方法もあるかなという一例です。文字をコピーして、同じ文字のまとまりを2つ作ります。そしてひとつはグループ化します(この時点でアニメーションは消える)。このグループ化した方の文字を望みのサイズに変えて、次に「図形の塗りつぶし」で、色を半透明にしてしまいます。

      次に、グループ化せずにいた方の文字のパーツをすべて選択して、シフトキーを押しながらサイズを変更(これでオブジェクトの縦横比が崩れずにサイズ変更できます)して、もう一つの文字とサイズを合わせながらサイズ変更します。この作業で、グループ化しなかった文字は位置がばらばらになってしまいます。先ほどのグループ化した文字と同じサイズになったら、グループ化して半透明にした文字の方に、個々のパーツをパズルのように乗せて、文字の配置を回復します。以上です(面倒くさいですが、こうした方法もある、ということで)。

      承継日本語としての取り組み、私もシアトルの日本語補習校に、この文字を紹介したりしていました。使ってくださって、ありがとうございます。

  2. 近藤先生
    お忙しいところ早速のご返信ありがとうございました!シフトを押したままサイズ変更という技があるんですね。
    パワーポイントの仕様上、アニメを保持したままコピーして貼り付けした後、そのままサイズ変更ができないということがわかってすっきりしました。やはり地道に貼り付けていくのが早道のようです。
    貼り付け作業をしていると、ハネやストロークの始まりにもきちんとパーツがあって、だからこそ美しいアニメになっているのだと感じます。

    現在、外国語としての日本語および継承語としての日本語での漢字指導についての自主研究会で指導方法の情報交換をしています。世界各国の補習校の先生、日本の盲学校での指導経験がある先生もいらっしゃるので、こちらの書き順スライドを紹介してユニバーサルな楽しい教材づくりをしていきたいと思います。近藤先生のサイトを今後も参考にさせてください。

    1. ありがとうございます。最新の記事にAccessReadingというサイトを挙げていますが、「音声教材」というものがあり、音声で耳で聞いて読むことができる教科書で、特別支援が必要な児童生徒であれば、無料で使うことができますのでそちらもぜひ御覧ください。実は漢字スライド、中学校以降で習う漢字のスライドもあります。未公開のまま眠らせていたので、もしニーズがあれば、少しお時間いただきますが、ウェブサイトを作って配布を考えたいと思います。

  3. 近藤先生
    情報提供ありがとうございます!
    Access Reading のプロジェクトについて初めて知りました。
    国語算数だけでなく、理科や音楽など多岐にわたる教科書が提供されているのは語彙を増やすのにとてもいいと思いました。

    中学校以降の漢字パワーポイントがあるんですね!個人的にはとても興味があります。
    「こんな難しい漢字も、基本的な漢字の組み合わせで書けるようになります」的な資料を作ったり、色を使ってカリグラフィアートのようなものを作ったりしたいです。

    ただ、個々の漢字の学習に焦点をおくと、中学校以降の漢字は小学校までの漢字の組み合わせで書き順含めて認識しているので、喫緊での必要性は低いと思われます。
    (外国人学習者の夫に聞いてみたところ、常用漢字の書き順を知ることは、手書きの文字を認識するのに役立つかもとのこと。)
    漢字指導法研究会のほうにもどのようなニーズがあるか投げかけてみて、またご報告したいと思います。

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